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2004年2月 9日

葉桜の季節に君を想うということ(歌野晶午)


ひょんなことから霊感商法のあくどいやり方を調査することになった、トラちゃんこと成瀬将虎。義理人情に厚い彼と、その周りにいる人たちの、笑いあり、涙ありの物語。

まるで人情芝居のような話だ。話の随所に盛り込まれた、トラちゃんの過去の話もとても面白い。
だが一方で、実際にこういう霊感商法で被害にあっている人たちがたくさんいるという現実に気づかされると、心が重くなる。お金を持っている高齢者は、のんびりしていられない。油断できない世の中なのだ。それにしても、この作品のラスト・・・。読者をこんなふうにはめるなんて、そんなのありなの!?

ゆこりん : 15:06 | 作者別・・う他