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2005年2月 6日
雪の夜話(浅倉卓弥)
雪の降る夜に公園で、和樹は一人の少女に出会う。その夜の出来事は彼の心に深く残った。それから8年、都会で挫折し故郷の町へ戻ってきた彼は、再び雪の降る公園で少女に出会った。彼女は以前と同じ15歳の姿のままだった。 雪子と名乗る少女は、傷つき疲れて帰郷した和樹に、命の不思議さを語り始める。
自分の居場所が分からず、生きていく希望も見つけられない毎日。そんな中で彼は雪子と再会する。彼女の語ることは現実離れしたことだった。「命」。それは決して消えることはなく、光となって次から次へと受け継がれていく。その光のつながりの一部として、私たちの「生」がある。
「僕が僕であること、僕にしかなれないことは、僕にとっていったいどんな意味を持つのだろう。そもそもそこに意味などあるのだろうか。」
その問いの答えは、自分自身にしか出すことはできない。誰もが答えを探している。そして人は、その答えを見つけるために生きていく。冷たい雪の夜の話だけれど、心に降り積もるものはとても温かい。この作品を読んで「命」の不思議さ大切さを、あらためて感じてほしい。
ゆこりん : 13:22 | コメント (17) | トラックバック (11) | 作者別・・あ他
このリストは、次のエントリーを参照しています: 雪の夜話(浅倉卓弥):
» 浅倉卓弥 『雪の夜話』(中央公論新社) from まつの“俺ならこう書く”
わが地方では根雪の季節である。
僕はこの時期は嫌いではない。なぜなら地上の雑然たる色彩の不調和が、白一色に塗りこめられてしまうからである。
色彩。
本書... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2005年2月11日 22:18
» 『雪の夜話』 from 歯医者さんを探せ!
● 表紙の印象
これは何で描かれてるのだろう?色鉛筆画に感じるのだけれど・・・。見れば
見るほど味わい深い。特に裏表紙の街灯の足元が何とも言えず好きだ。とこ
ろ... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2005年2月12日 08:04
» 『雪の夜話』 浅倉卓弥 (中央公論新社) from 活字中毒日記!
雪の夜話浅倉卓弥著出版社 発売日 200501下旬価格 ¥ 1,575(¥ 1,500)ISBN 4120035840bk1で詳しく見る
デビュー... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2005年2月14日 00:19
» 『雪の夜話』読了。 from 日々のちょろいも
浅倉卓弥『雪の夜話』読了。感想はこちら。これはなかなかよかったわ。こっちもピュアと言えばピュアなんだけど。『四日間の奇蹟』は個人的にイマイチだったんだけれど、... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2005年3月 3日 16:44
» 「雪の夜話」浅倉卓弥 from 宙の本棚
高校二年の冬、相模一樹は真夜中の雪の公園で真っ白なダッフルコートの不思議な少女に出会う。東京の美大に進学した一樹はバイト先で知り合った水原さんに誘われるままに... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2005年4月19日 14:17
» 浅倉 卓弥 著 『雪の夜話』 from cinema days 『映画な日々』
雪の夜話posted with amazlet at 05.03.17浅倉 卓弥 中央公論新社 (2005/01/22)売り上げランキング: 4,564通常24... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2005年5月 1日 00:16
» 雪の夜話 朝倉卓弥 from *Happy Light*
雪の夜話posted with 簡単リンクくん at 2005. 5.15浅倉 卓弥中央公論新社 (2005.1)通常24時間以内に発送します。オンライン書店ビ... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2005年5月23日 23:42
» 浅倉卓弥『雪の夜話』 from どこまで行ったらお茶の時間
雪の夜話
白い闇に包まれた公園で、僕は不思議な少女に出会った。「君?」 向き直った少女はゆっくりと自分を指差した。「貴方、私が見えるのね?」 それが最初の... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2005年7月28日 19:03
» 「雪の夜話」浅倉卓弥 from Ciel Bleu
[amazon] [bk1] 高校2年生の冬、夜中に煙草が吸いたくて堪らなくなった和樹は、雪が降る中をひっそりと外に出て自動販売機へ。しかしその帰り道、... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2005年11月 1日 05:16
» 《雪の夜話》は自分の内面を深く掘り下げる… from M's BOOKcaSe
「雪の夜話」朝倉卓弥 ♪♪ 雪の降る夜に 近所の居酒屋で日本酒でも飲みながら 相模和樹くんが ポツポツ と語る思い出話を聴く… まるでそんな雰囲気の中... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2005年11月14日 18:31
» 雪の夜話 浅倉卓弥 from 苗坊の読書日記
雪の夜話
相模和樹は高校生の時、真夜中の公園で、真っ白なダッフルコートを着、フードを被った雪子という少女に出会う。
その7年後、和樹はデザイン事務所で... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2006年7月 9日 18:29
コメント
わあ、これ良かったんですね!
私もすごーく楽しみにしていて、今借りているので近々読む予定です。
「TVJ」といい、この作品といい最近ゆこりんさと読む本が似通ってきましたよ。
っていっても新刊の話題作だから当たり前か・・。
「天国の5人」も読んでみたいです。
投稿者 おとぎ : 2005年2月 6日 21:27
おとぎさん、こんにちは~(o^-^o)
よかったですよ。メルヘンチックというかファンタジーというか・・。
雪についての描写は、雪を知り尽くしているという感じでとても
好感が持てました。雪国育ちじゃないときっと書けないと思います。
新刊、こんなに早く読めてラッキーです。早めに図書館に予約して
おいてよかったわ~o(*^▽^*)o
投稿者 ゆこりん : 2005年2月 7日 15:51
コメント、TBありがとうございます。実は浅倉さんの前作『君の名残を』(宝島社)、僕はダメだったんです。それで、今回は恐る恐る読んだら、面白い。ゆこりんさんの仰る通り、雪の描写が巧いな、と。僕の住んでる地方は雪国なので、これは是非お客さんに紹介しなくてはと、書店人根性丸出しでPOPを書きました。某宮澤○治の出身地に程近いせいもありますが。
『TVJ』もお読みになったんですね。あの作品も◎です。2001年度のサントリーミステリー大賞優秀作で、満を持しての刊行ということで、期待して読んだのですが、まったく裏切ることなく読めました。今後、設定を五十嵐さんオリジナルのものを書けば、直木賞作家も夢ではないでしょう。
投稿者 まつ : 2005年2月11日 22:16
ゆこりんさん、おはようございます。
TBともどもお伺いさせて頂きました。本を読むピッチ早いですね。それに作家の方からコメントなんて凄い♪です。どちらも羨ましいな。いま、私はやっと「梅咲きぬ」を読み始めたところです。なので、読後ゆこりんさんの感想をゆっくり拝見させて頂こうと楽しみにしています。それでは、また伺わせて頂きますね。
投稿者 bamse : 2005年2月12日 08:26
>まつさん
こんにちは~♪訪問ありがとうございます。
私も「君の名残を」は三つ星でした(^^;ちょっと「うーん」かな?
今回の「雪の夜話」は五つ星です♪心にしみる話でした。
POP、どれも素敵ですね。考えるのは大変だと思います。
でもそれを見て買ってくださる方がいると、喜びひとしおですね♪
>bamseさん
訪問ありがとうございます。
「梅咲きぬ」を読んでいるんですね♪この本も私の五つ星です。
母と娘の関係、深川の人たちの暮らしぶり、読んでいて胸が
熱くなりました。感想を楽しみにしています(o^∇^o)ノ
投稿者 ゆこりん : 2005年2月12日 16:30
こんばんは。
TBとコメントさせていただきました。
この本、自分の再生っていう面から見たら
とても元気になる本です。
レヴューでは載せていませんが、和樹が妹を描くところがいいんですねー。妹と兄の関係もいいです。
お互いがお互いを認めあえた時、どんなに素晴らしいんだろうと思えた作品です。
投稿者 よし : 2005年5月24日 21:30
よしさん、こんにちは~♪
この本は、自分が生きている意味を考えさせられる
本でした。こういう心が温かくなる話はいいですね♪
兄と妹の関係もとてもよかったです。私は長女で、妹しか
いないので「兄」という存在はあこがれでもあるんです。
こういう話はとっても好みですσ(^_^)
投稿者 ゆこリん : 2005年5月25日 15:06
ゆこりんさん、こんにちはー。
やっぱり雪国の方が読むと、一段と感慨が深いんでしょうね。
ほんと雪の情景が素敵でした。
これね、予約を入れてからまわってくるまですごく時間がかかったんですよ。
浅倉さんの人気のほどが分かりますね。
そして、一緒に予約した「君の名残を」の方はまだなんです。
ゆこりんさんはそれほどでもなかったようですね。
平安時代が舞台になるという設定はすごく惹かれるので
自分がどんな印象を持つのか、読むのが楽しみです。
投稿者 四季 : 2005年11月 1日 08:25
>四季さん
本当に雪の描写がよかったです。読んでいて情景が目に
浮かびました。雪を知り尽くしています!!
「四日間の奇跡」「君の名残を」「雪の夜話」の中では
「雪の夜話」が一番好きです♪
「君の名残を」の四季さんの感想を楽しみにしていますね。
投稿者 ゆこりん : 2005年11月 1日 18:48
ゆこりんさん、こんにちはー。
つい昨日、浅倉さんの『北緯四十三度の神話』を読み終えたんですが、
気になる箇所が一点。
もしかすると『雪の夜話』と、リンクしているかもしれません!
(そう、あの人物とあの人物とが登場するんです!)
時系列的に云うと、こちらの方が後の物語になるようですが…たぶん。
無性に『雪の夜話』を読み返して、確認したい気持ちに駆られてます。
『雪の夜話』と違ってファンタジーの要素はないのですが、こちらも美しい物語でした。
道民の方が読まれたら、私以上に興奮する部分がきっとあると思います!
投稿者 七生子 : 2006年2月 2日 02:49
>七生子さん
おはようございます。
w( ̄▽ ̄;)wワオッ!! そうなんですか?
そうと聞いたら読まずにはいられません。
さっそく...ψ(。。)メモメモ...
情報、どうもありがとうございます。
投稿者 ゆこりん : 2006年2月 2日 08:36
はじめまして...
雪の夜話...素敵な作品ですね。
エレクトーンを習っていて、今年の発表会に
この本をモチーフに曲をアレンジしました。
加羽沢美濃さんの「もうひとつの風景」です。
ようこそ!雪の降る夜話の世界へ...お聞きください!
...ってコメントつけて頑張ります。
最新刊「北緯四十三度の神話」の感想...期待してます。
投稿者 猫のフウチャン : 2006年3月 4日 07:08
>猫のフウチャンさん
初めまして。コメントをありがとうございます。
どんな曲なのでしょう?聞いてみたいです。
とてもきれいな透明感のある曲・・・という
イメージを持っていますが(^^;
「北緯四十三度の神話」、今読んでいるところです♪
投稿者 ゆこりん : 2006年3月 4日 15:16
お返事ありがとうございます。^^
返信のとおり、透明感のある曲です。
今回は、和樹と雪子の孤独感も盛り込んで...
エレクトーンって、意外と表現力が...おおありなんですよ!
5月に発表会があります。
只今、最後の追い込み中...整理が出来ましたら是非聞いて頂けるなら幸いに存じます。
ところで... ゆこりんさんの本の感想...とても、参考にさせて頂いてます。
私も、お勧めがあるのですが...どこに書き込んだら良いでしょうか?
投稿者 猫の : 2006年3月 9日 21:35
>猫のフウチャンさん
おはようございます。
オススメ本ですか?紹介していただけるのなら
うれしいです。このブログにも掲示板はありますが、
できればメインサイトの掲示板に書いてくださると
うれしいです。
メインサイトは→http://yukorin.info/です♪
投稿者 ゆこりん : 2006年3月10日 10:29
こんにちは。TBさせていただきますね。
幻想的でしたね~。
冬というか、雪の情景の表現が上手いなぁと思いました。
札幌に住んでる私としては嬉しいところです。
面白かったです^^
投稿者 苗坊 : 2006年7月 9日 18:30
>苗坊さん
いつもコメントとTBをありがとうございます。
雪の描写は抜群でした。
この作品は私の五つ星なんです(*^▽^*)
面白いし、感動的な作品でした。
投稿者 ゆこりん : 2006年7月12日 00:03