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2005年7月 2日

シリウスの道(藤原伊織)


東京の大手広告代理店の営業副部長の辰村には、人に言えない秘密があった。25年前に辰村と、勝哉と、明子の3人で眺めたシリウスの星。3人の過去の物語が明るみに出ようとしていた。広告業界の熾烈な競争と過去の因縁を、巧みに絡めたミステリー。

忘れようとしていた過去の秘密が突然あらわになる。明子の夫に送られた、明子の過去を暴く脅迫状。差出人は誰なのか?なぜあの出来事を知っているのか?そのことが辰村の仕事にも影響を及ぼす。広告業界の競争に勝ち残るのはどこか?また脅迫状の結末は?そしてそのふたつはどう関係しているのか?緊迫したままの展開が続いていく。広告業界の内幕もとても興味深い。読み手を最後まで飽きさせないストーリーの組み立ては見事だった。ラストは、こんなものだろうという思いも多少はある。しかし、私としては違ったラストを期待したかった。そこだけが残念!

ゆこりん : 16:28 | 作者別・・ふじわらいおり