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2005年9月27日

沼地のある森を抜けて(梨木香歩)


死んだおばから引き継いだのはぬか床だった。だが、そのぬか床は普通のぬか床ではなかった。ある日卵が現れて、そしてその卵から孵化したものは・・・。生命の不思議さを独特の感性で描いた作品。

人はどこから生まれてどこへ還るのか?お母さんのおなかから生まれて、最後に土に還る。そんな答えでは片付けられないものがこの作品には描かれていた。一般的な答えのようにしか生命は誕生しないのか?こんな疑問が浮かんでくる。「ぬか床や沼から命が生まれたとしても不思議ではない。」この作品を読むと、そう考えさせられてしまう。はるか昔、たった一つの細胞から今ある数々の生命が生まれた。その壮大なドラマ。ぬか床や沼の中にも宇宙は存在していたのではないだろうか。生命の神秘さや果てしない広がりを、感じずにはいられない作品だった。

ゆこりん : 15:10 | コメント (4) | トラックバック (3) | 作者別・・な

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コメント

TBさせていただきました。
梨木香歩さんの本が好きで、初めてブックレビューをかいてみたのですが、自分の好きなものを伝えるのは難しいですねー。
こちらのレビュー、時々のぞかせていただいていました。
初めての書き込みです。
これからも面白い本情報、楽しみにしています!

投稿者 double face-d : 2005年10月10日 21:43

>double face-dさん
初めまして。コメントありがとうございます。
時々のぞかれていたんですね~(笑)
ありがとうございます(*^▽^*)
本について、私も書評などは書けません(^^;
読後の気持ちをありのままに・・・そういう気持ちで
書いています。
これからもよろしくお願いしますm(_ _"m)

投稿者 ゆこリん : 2005年10月10日 22:27

ゆこりんさん☆こんばんは
ようやく読めました。
沼の人達のように、生まれ変わりというのが日常だったら、人生観は随分違うものになっちゃうんでしょうね。

投稿者 Roko : 2005年12月17日 00:31

>Rokoさん
こんにちは~(*^▽^*)
こんなふうに生命が誕生したらやっぱり人生観は
変わりますよね。梨木さんの独特の感性が光る
作品だったと思います。

投稿者 ゆこりん Author Profile Page : 2005年12月18日 14:14