冬の時

まっ白な雪原が

空を写して青になる

春を待つすべてのものを閉じこめて

空を写して青になる

凍てつく光の中を

張りつめた時間だけが過ぎてゆく

ただひたすらに

風のように












































雨の音

雨の音 心にしみて

とても切なくなりました

泣き顔を かさでかくして

足早に

人ごみを抜けていく私です

雨の音 心にひろがって

悲しみも 心にひろがって

景色が 涙色になりました












































冬の天使

そんなに澄んだ目で

心の中を見つめないで

どきどきするよ

きみは

あどけない えがおで

あどけない しぐさで

ぼくの心をひとりじめ

ある寒い冬の朝

わが家に天使が舞いおりた

その日をぼくは忘れない












































春のうた

雪どけの水たまり

舞いおりた光たちが きらきら遊ぶ

風は

  子供のようにはしゃぎながら

髪のあいだを すりぬける

やがて

遅刻した春が

申し訳なさそうな顔をして

一生けん命 駆けてくる

待ちくたびれた 私のもとへ