秋の陽に
銀鱗かがやく
知床の
母なる川へ
今旅立ちのとき
幼子(おさなご)は
疑うことを
知らぬ天使
澄んだ瞳に
心を映す
ひっそりと
青い湖床に
身をおいて
悠久の時を生きる
緑のまりも
言葉にすれば
闇に染まる
あなたをつつむ
残り香に
心とまどい
夏からの帰りか
秋へ向かう
途中なのか
季節のはざまに
一人たたずむ