塩狩峠  三浦綾子
この本を読んでいて、涙がとまりませんでした。
暴走する列車を、自分の身を犠牲にして止めたという
実際にあった話をもとに、この作品は書かれています。
宗教色が色濃く出ている部分もありますが、この作家の
自伝的小説を読むと、なぜそうなのかが分かると思います。
「道ありき」も読んでみて下さい。


聖職の碑(いしぶみ)  新田次郎
この本も実際におこった話をもとに書かれています。
登山に参加した先生と生徒が、天候の急変により次々と
遭難していきます。なぜこうした悲劇が起こったのか、
またその時彼らや、彼らを待つ家族達はどう行動したのか・・。
考えさせられる作品でした。


風と共に去りぬ  M.ミッチェル
語る必要のないあまりにも有名な作品。
中学3年の時と30代半ばと、2回読みました。
読む年代が違うと、受け取る感じ方も違うものです。
私は原則として、一度読んだものはもう読み返さない
ことにしていますが、夏目漱石の作品とこの作品は
例外です。


大地の子  山崎豊子
テレビドラマ化されたので、それを見た人も多いのでは。
残留孤児だった主人公が、数々の苦難を乗り越えて成長
していく姿は、感動ものです。 
生き別れになった妹との再会シーンには、思わず涙。
かなり長いですが、長さを感じさせない作品です。


こころ  夏目漱石
高校1年の時に読んで、かなり衝撃を受けた本です。
なんだかガンと頭を殴られたように感じました。
これが小説なんだ!と思いました。
「坊ちゃん」「我が輩は猫である」を読んではいましたが
夏目漱石という小説家を、尊敬するきっかけになったのは
「こころ」です。
漱石全集もしっかり持っています。         


橋のない川  住井すえ
同じ人間同士の中で差別が存在するとうことは、漠然と
知っていました。でも、ここまでだとは思いませんでした。
作者が実話をもとに書いた部分もあるということなので、
胸が痛む思いで読みました。
現在では差別はなくなっているということですが、それでも
部落出身だということを隠している人がいると聞きます。
人が人を差別するということが、早く完全になくなって
ほしいと思いました。         


モモ  ミヒャエル・エンデ
盗まれた時間を取り戻そうとする、女の子のお話。
子供から大人まで楽しめる本です。
時間に追われながら生活している現代人にとって、
考えさせられる作品です。


徳川家康  山岡荘八
文庫本で26冊、今までに読んだ中で一番長い作品でした。
しかし、グイグイと引きつけられるものがあり、あっと
いう間に読んでしまいました。
徳川家康の波瀾万丈の人生は、とても興味深かったです。
作者の読み手を飽きさせない、テンポの良い文章も
魅力でした。全巻読破は勇気がいるかもしれませんが、
是非薦めたい作品です。


竜馬がゆく  司馬遼太郎
ご存じ、坂本龍馬の生涯を描いた作品です。
竜馬という一人の人間の魅力を実に鮮やかに表現しています。
この本を読んで、竜馬が好きになったという人もいます。
私もその一人で、竜馬だけではなく、司馬遼太郎という作家も
好きになりました。


蒼穹の昴  浅田次郎
清朝末期、貧しい暮らしから抜け出るため、自らの身体を
傷つけ宦官となり、地位を手に入れようとする主人公と、
それを取り巻く人々による壮大な物語。読む人の心を
とらえて離さない、さすがは浅田次郎だ!と思わせる作品です。
上下2巻ですが、一気に読んでしまいました。