六千人の命のビザ 杉原幸子 | |
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第二次大戦中、ユダヤ人を救うため、彼らにビザを 発行し続けた「杉原千畝」氏を描いています。 著者は杉原千畝夫人です。 帰国後、彼はそのことが原因で職を解かれます。 しかし、彼らに救われたユダヤ人の人たちは今でも 彼に感謝しながら生活をしています。 当時のビザを今も大切に持っている人もいます。 戦後何十年も経ってから杉原氏の名誉は回復されました。 彼の信念を貫いた行動は、きっと読む人の心を打つと 思います。 |
喪服のランデヴ− コ−ネル・ウ−ルリッチ | |
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旅客機の乗客が心なく落としたビンが、不幸の始まり だった。そのビンはジョニ−の愛する恋人の命を 一瞬にして奪ってしまったのだ。 復讐の鬼となった彼は、その日乗り合わせた男達の 妻や恋人を一人残らず殺そうと計画する・・・。 サスペンスなのだけれど、復讐鬼となった彼の切ない 心が、読んでいて伝わってくるようです。 ラストは、胸が痛くなりました。 |
少年H 妹尾河童 | |
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「H」と呼ばれた少年の目から見た「戦争」を、庶民の 暮らしを交えて生き生きと書いています。 子供から大人まで幅広い年齢層の人に読んでもらいたい 作品です。 |
孤高の人 新田次郎 | |
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昭和初期、裕福な人々だけのものであった登山界に、 社会人登山家としての道を開拓しながら日本アルプスの 山々を、ひとり疾風のように踏破していった「単独行の 加藤文太郎」。実在の人物を主人公にした作品です。 「孤独」というより「孤高」と呼ぶにふさわしい彼の 生きざまは、この作品を読む人全てに感動を与えずには いられません。長く心に残る作品です。 |
火車 宮部みゆき | |
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「ある女性を捜して欲しい。」こう頼まれた主人公は軽い 気持ちで引き受けます。しかし、調べていくうちに予想も しなかった事実が浮かび上がってきます。たまらなく先が 気になり、ぐいぐい引きつけられる作品です。 山本周五郎賞を受賞したミステリ−の傑作です。 |
雲の階段 渡辺淳一 | |
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「偽医者」であることを隠し医療に励む男。 しかし、彼がのぼっていく階段は、いつ地上に落ちて しまうかわからない、危うい「雲の階段」でした・・・。 うそにうそを重ね、男が最後にたどりつくのはどこなの だろうと先が気になる作品でした。 うそをつくことがいけないということは知っているけれど、 作品を読んでいくうちに、主人公に同情心がわいてきました。 一気に読める作品でした。 |
アンダ−グラウンド 村上春樹 | |
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日本中に衝撃が走った「地下鉄サリン事件」。 多くの罪のない人々が犠牲になりました。助かった人々も 一生消えることのない傷を、心に負わされてしまいました。 著者は、この事件で被害に遭った人たちからの証言を丹念に 集め、それを一冊の本にしました。それがこの本です。 話を聞き、それを文章にまとめ、話を聞かせてもらった人に 見てもらい、またその文章を手直しする・・・。 とても手間のかかるこの作業を続けたのは、少しでも被害者の 方たちの生の声を、忠実に文章として再現しようとしたから です。ニュ−スでは決して知ることのできなかった部分が 鮮明に浮かび上がってきます。 |
流転の海 宮本輝 | |
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主人公の男としての生き方に、時には共感し、時には反発しながら 読みました。「地の星」「血脈の火」とまだまだシリ−ズとして 続いています。魅力的な文章を書く作家です。 |
しろばんば 井上靖 | |
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著者の自伝的小説。主人公の少年が成長していく様子を、実に 丁寧に描いています。心理描写がとてもいいです。 「夏草冬涛」「北の海」と、三部作になっています。 |
デルタの記 暮らしの手帖編 | |
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この本の前書きにはこう書いてあります。 「世の中に戦争ほど悲しく、恐ろしいものは、ほかにありません。 人間の生命を奪い、一人ひとりの心の自由を奪い、暮らしを 破壊する、それが戦争です。 そして、戦争は、自国ばかりでなく、相手の国の人々にも、 同じように、それ以上に、もっと悲しく不幸なことを引き おこします。 暮らしの手帖は、二度と戦争を、あの不幸を起こすまいと、 この一冊をまとめました。」 この前書きのとおり、この本の中には戦争の悲惨な体験が、 たくさん書かれています。 読んでいると、胸が締めつけられます。私は戦争の本当の 恐ろしさを知りません。でも、戦争はもう絶対にしては いけないことだと強く思います。 日本にもかつてこんな悲惨なことがあったということを 忘れないためにも、この本はおすすめです。 |